病人祈祷はいざなぎ流の中核のひとつである。現在でこそ、病人祈祷は正式な医療として認められていない。だがかつては、太夫(いざなぎ流の宗教者）にみてもらうことは医者にみてもろうことと同じくらい重要な医療行為であった。「いのれ、くすれ」という言葉がある。祈りは太夫、薬れは医者の領分である。・・・物部村槙尾のあたりで、「医者が偉いか、太夫が偉いか」という論争が行われた。神主の家筋であった槙村宅之助氏は、当時医者をしていたが、太夫派であった。この論争はなかなか決着が着かず、最後に「祈れ、医（くす）れ」と最初に祈れというから太夫が偉いのだということでケリがついた。そのころの太夫の位置を感じさせる話である。『「図録 いざなぎ流の宇宙ー神と人のものがたりー」 第5章　病人祈祷　1.病人祈祷の時代』より抜粋。高知県物部地方の太夫神官の手もとに、いざなぎ流、天台流、西山法ともいわれる数多く唱文資料があり、その重要なものを祭文、本地とよび、且つそれが、博士、陰陽師の用いたものであること指摘し、その解説を通していざなぎ流祈祷の本格的研究の端緒なしたのは吉村淑甫氏である。本書はその意志を継ぎ、祭式面からの解明と、その作法を通じて陰陽道のとのかかわり、いざなぎ流の成立を「神祈祷」の面から集約した第一集につづき、「病人祈祷」の面から集約したものです。●　「いざなぎ流御祈祷（第二集）ー病人祈祷篇ー」●　目次　　　序文　　　まえがき　　　本文篇　　　　1　病人祈祷の基本　　　　2　おし加持祈り　　　　3　蟇目の祈祷　　　　4　湯火祈祷　　　　5　もえかえ祈祷　　　　6　ぶにあてまじない　　　　7　切りはずしまじない　　　資料編　　　　1　おし加持祈祷資料　　　　2　湯火祈祷資料　　　　3　もえかえ祈祷資料　　　　4　切りはずしまじない資料　　　　5　西本家伝秘法諸行加持式資料　　　跋　　吉村淑甫●　発行　物部村教育委員会●　発行日　昭和55年8月1日　　　　　　昭和60年3月1日再版●　サイズ15㎝×21㎝　172ページ　古本です。経年による表紙にシミ、スレ、ヤケがあります。　状態は画像で判断してください。古いものなのでご理解のある方の　ノークレーム・ノーリターンでの取引を宜しくお願いします。　新規の方、評価の悪い方はこちらから予告なく、　削除する場合がありますのでご了承ください。　発送はレターパックライトを考えています。xvpbvx