【製品について】 英国 Goodmans社の大型(26.5cm×16cm)のアルニコ・オーバル・フルレンジ。広くいきわたっている民生用の軽量(マグネット，振動系)タイプとは異なり、大変希少な、赤バンド・筒形・アルニコ・マグネットを背負った、重量級のプロ用の強力なユニットです。(当方の秘蔵ユニットの１つです。)1950年代の製品と思われます。真空管アンプの時代を反映して、インピーダンスは15Ωになっています。モノラル時代のユニット２本を揃えて、ステレオ・ペアでの出品になります。(モノラル時代の２本のため、センター・キャップの形状とリード線の取り出し方に少し違いが見られます。ただ、マグネット及びコーン紙は同じもので、センター・キャップも透過タイプのため、音圧や音質の違いは感じられません。) 日本やアメリカでは、フルレンジユニットはラウンドタイプ中心に発展してきましたが、ヨーロッパでは、かなり長期間、並行して、オーバルタイプが設計・製作されてきました。(低域から高域まで再生することを求められるフルレンジでは、長軸と短軸の両方の振動が使えるオーバルタイプが有利だという考え方があったようです。)その中で、1950年代～’60年代前半、まだまだ各国の、各メーカーが、その個性を十分に保持していた時代、優れたオーバル・フルレンジが数多く生み出されました。出品のオーバル・ユニットもその１つになります。 音質的には、Goodmansのユニットらしく、やや渋めでウェットなイングランド・トーン。やはり、きめ細かな、それでいて彫りの深い抒情的な陰影表現には秀でたものがあります。特に人の声の自然さやフルレンジならではの定位の良さには代えがたいものがあります。軽量タイプの大型オーバル(こちらもホームユースとしては響きの豊かな味わい深いフルレンジですが。)と比較すると、音の芯に強さが感じられます。音が前に出てくる、いわゆる「よく跳ぶ」、浸透力の高い音に仕上がっているように思います。それだけに使いこなすのは軽量タイプほど優しくはないと思いますが、それだけの価値はあるユニットだと思います。 同じ赤バンド・筒形・アルニコ・マグネットを背負ったAxietteと較べると、音の質そのものの傾向は似ていますが、周波数帯域でいうと、低域の伸びは出品のオーバル・タイプの方が、高域の伸びはAxietteの方が優れているように感じられます。 使い方としては、やはり後面開放の箱で、このユニットの個性を素直に引き出すということになると思います。(キャビネットについては、普段聴かれる音量にもよりますが、比較的厚手の板材を使っていただければと思います。ユニットのエネルギー量が大きいので、あまり薄手の板材ですと負けてしまいます。)また、中型の密閉箱でユニットに少し背圧をかけると、一段とスケールの大きい音楽を愉しむことができます。なお、シングル・コーンの大型フルレンジですが、ボイス・コイル直径がかなり細く設計されており、フルレンジらしく高域もかなり伸びています。したがいまして、これ１本で、音楽を十分に愉しむことができると思います。 取り付け寸法についてはおよそ15cm×14cmの長方形の頂角がネジ穴位置になっています。(ネジ穴が長形で開けられており、この値は中央値ですので、取り付け寸法についてはかなり融通はきくと思います。) 【商品の状態について】 ○ さすがに半世紀以上も前の製品で、コーン紙に経年による退色は見られますが、コーン紙やエッジ、センター・キャップなど、音質に直接関わる、肝心の振動系には特にこれといった傷みは見られません。 ○ エッジはフィックスド・エッジですが、特有のキレットはほとんど見られないようです。 △説明にもありますように、製造時期の違いからでしょうか、センター・キャップの形状とリード線の取り出し方に少し違いが見られます。ただ、センター・キャップは透過タイプですので、音圧や音質に影響はないと思います。(その分、スタート価格は少し下げてありますが、気になる方は入札をお控えください。) 〇DCRは揃っており(公称インピーダンス15Ω。16Ωの扱いでよいでしょう。)、音圧差も通常の使用で問題のない範囲に収まっています。 【その他】 発送はヤマト宅急便、1ヶ口になります。送料着払いでお願いします。(即決価格で落札いただいた場合は、送料は当方で負担させていただきます。) ジャンク品としての出品ではありませんので、輸送中の何らかのトラブルで、製品としての機能に問題があったり、状態が説明と著しく異なったりした場合、2週間以内に、その旨ご連絡いただければ、返品は受け付けます。 なお、同時に、趣味の音響製品を何点か出品しておりますので、よろしかったら、そちらもご覧ください。